【ブックレビュー】リチャード・カールソン『小さなことにくよくよするな』

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パニックになっていたり、疲れ果てていると、本を読む気力なんて残っていないかもしれない。だけど、この本なら目次を眺めるだけでも、リカバリー効果を期待できそう。見出しはまるで格言のようだ。目次の一部を引用してみることにする。

001  小さいことにくよくよするな
002  完璧な人なんて、つまらない
003  成功はあせらない人にやってくる
004  頭で悩みごとの雪だるまをつくらない
005  思いやりは訓練で育つ
006  死んでも「やるべきこと」はなくならない
007  人の話は最後まで聞こう
008  人のためになにかする――こっそりと
009  相手に花をもたせる
010  いま、この瞬間を生きる
011  自分以外はみんな文明人だ

著者はアメリカの心理療法士リチャード・カールソン。本書『小さなことにくよくよするな』で乱れた気持ちを鎮めるヒントを100項目記している。一項目は1000文字程度。難しい言葉は使っていないので、すーっと頭のなかに入ってくる。

本来なら気の置けない友人や親類、仕事仲間にかけてほしい言葉だ。しかし、仲間もなく,助けてくれる者がいないとき、本書は彼彼女らに代わって読者を慰める。孤独は人生にはつきものなので、このような本が必要なこともある。

宗教色はないが、あえていえば、禅の影響を感じる。90章の「この一幕もまた過ぎていく」を引用してみよう。

あなたが経験したすべてのことは終わっている。どの考えも始まっては終わった。いままでに味わったどんな感情や気分も永遠に持続することはなかった。これまで幸せ、悲しみ、嫉妬、落ち込み、怒り、恋、恥、誇りといった人がもつあらゆる感情を味わった。そういった感情はどこにいったのだろう? その答えはだれも知らない。私たちが知っているのは、すべてはやがて無に帰るということだけだ。この真理を歓迎することによって自分を解放する冒険の旅が始まる。

1年たてば、すべて過去。このように本書は語りかける。私は心が弱っているとき、本書に頼る。小さなことへのとらわれに気づき、解き放たれる。われながら、本書を必要とするのは不幸なときだ。できるならば本書を必要としないストレスレスな人生を歩みたいものだ。

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