台風が来たらどこへ逃げる?国土交通省ハザードマップポータルサイトが便利

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強い台風がやってくると、私は浴室に逃げ込みたくなります。このヘンテコな衝動には原因があります。昭和のある年、当時住んでいた仙台を強い台風が通過しました。私がまだ小学生だったころのことです。

うなりを発する暴風。稲光と同時にとどろく雷鳴。地面や窓、家の壁にたたきつけられる雨、みぞれ、ひょう……。

頼りたい父親は仕事でいません。若かった母と幼い私と弟は恐怖を感じて身を寄せ合い、小さく縮こまり、台風が過ぎ去るのを待っていました。その場所が家の浴室だったのです。

一番安全な場所だからそこにいるのだと思っていました。この誤った安心感がいまだに刷り込まれています。ここで思い出す話があります。童話「3匹の子豚」です。

3匹の子豚をオオカミが狙っています。1番目の子豚はわらで、2番目は木の枝で、3番目はレンガで家を建てました。オオカミは息を吹きかけて家を壊そうとします。ご存じのとおり、生き残ったのは頑丈なレンガで家を建てた子豚でした。

浴室に話を戻しましょう。触った感触はレンガのような堅いタイル張りです。残念ながら、だから安全と言える根拠はありません。

近くには広瀬川や名取川といった一級河川が流れています。氾濫したら、木造家屋はひとたまりもありません。しかも、住んでいた場所は洪水に見舞われたことがある地域でした[1]

大雨になると田舎町は一変します。田んぼは一面湖のようになります。

地域によって起こりうる被害の傾向は変わります。今年2018年の台風21号では記録的な高潮で関西国際空港が冠水となり、屋根から転落したり、強風で転倒したり13人の尊い命が奪われました[2]。九州北部豪雨(17年)や広島土砂災害(14年)でも人々の生活や生命が脅かされました。

川の氾濫、土石流、がけ崩れ、地すべり。都市部では道路や住宅の浸水、アンダーパス(道路や鉄道と交差する地下道)の水没。いずれも、浴室にいては回避できません。では、いったいどこへ行けばいいのでしょうか。

政府は危険を感じたら速やかな避難を提案しています[3] 。行動は事前の備えがあってできるものです。

  • 非常用持ち出し品の点検をする
  • 雨や風が強くなる前に、家屋の補強などの対策をする
  • 避難場所までの道順を確認をする
  • 日頃からハザードマップで危険箇所や避難場所をチェックをする
  • 雨が降り出したら土砂災害警戒情報等にも注意をする
  • 危険を感じたり、市区町村長からの避難勧告等があった場合は、あわてず速やかに避難する。避難の前には、必ず火の始末をする
  • 避難の際の持ち物は最小限にして背中に背負うなど、両手が自由に使えるようにしておく

水害は短時間に起きます。しかし、天候が荒れてからでは、移動は難しくなります。いまとなっては、浴室でおびえていた私たちの姿は、避難の遅れを暗示していたと思います。一級河川近くの家屋のなかで。台風が激しくなる前に自主的な避難を検討したいところです。避難場所は「国土交通省ハザードマップポータルサイト」でも調べることができます。

国土交通省が運営する、「ハザードマップポータルサイト」です。身の回りでどんな災害が起こりうるのか、調べることができます。

災害リスクも、指示待ちではなく自主的な行動が大切だと気づかされます。私に関しては浴室に避難したくなる衝動も何とかしたいと思います。


【脚注】

木村邦彦

メディア関連で編集制作、ライターなどしています。(さらに詳しい自己紹介