【ヤードバーズ】ジェフ・ベックとジミー・ペイジの偉大さが分かる曲2選

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若き日のジェフ・ベックとジミー・ペイジ(Illustration by kimukuni)

1963年結成のヤードバーズThe Yardbirds)はエリック・クラプトンジェフ・ベックジミー・ペイジの三大ギタリストが在籍していたことでも知られます。のちのクリーム、レッドツェッペリン、ジェフ・ベック・グループといったスーパーグループの生みの親とも言えます。しかし、どうしてもイメージは地味です。

叩き台の2曲を通して、一緒に地味さを感じてみましょう。ジェフ・ベックとジミー・ペイジ の偉大さも見えてきます。

シェイプス・オヴ・シングス – Shapes of Things

まずはヤードバーズの「シェイプス・オヴ・シングス」 ( Shapes of Things)です。1966年2月25日にシングルとしてリリースされました。ジェフ・ベックのフィードバック奏法がかっこいいサイケデリックロックです。

単純なエイトビートではなく、ボレロのリズムも取り入れています。ジミヘンやクリームに匹敵する破壊的で野心的な演奏にもかかわらず、ポップ路線への名残も感じさせます。

この曲は2年後、1968年5月にジェフ・ベック・グループのデビューアルバム「トゥルース」(Truth)でも再録音されました。ヤードバーズでは起こらなかった化学反応を聴くことができます。

ボーカルはあのロッド・スチュアート。ベースはロン・ウッドです(現在はローリング・ストーンズに在籍中)。はじめて『トゥルース』を買ったのは十代の頃ですが、ヤードバーズと同曲だと気づいたのは、三十歳も過ぎてからでした。

初期のレッドツェッペリンに通じるようなハードなブルースです。バンド内のインプロビゼーションに時間を忘れます。聴き手もバンド内で起きている化学反応を追体験します。この化学反応なるものを、どのような文章で表現したらよいのでしょうか。私はよく分かりません。

ジミヘンは、ジェフ・ベックに「お前が演奏するブルースは気持ちが悪いから止めた方がいい」と助言したそうです。たしかに、ブルージーな曲調ではあるのですが、実験的すぎて、ジャンル不明です。それが成長を予感させます。

幻惑されて -Dazed and Confused

「幻惑されて」(Dazed and Confused)は『レッド・ツェッペリン I』に収められたプログレシッブな曲で、バイオリンの弓でギターを弾く「バイオリン奏法」でも有名です。レッドツェッペリンのベーシスト、ジョン・ポール・ジョーンズ(ジョンジー)の沈む名ベースラインも語り種になっています。

しかし「幻惑されて」の初演は、レッドツェッペリンではなくヤードバーズです。

ヤードバーズ時代に、ジミー・ペイジはすでにバイオリン奏法を披露しています。しかし、それ以外は見どころがなく、いたって退屈な演奏です。ロバート・プラントの絶叫、ジョンジーとジョン・ボーナムの兼ね合いがないと眠たくなってきます。

ジェフ・ベック「シェイプス・オヴ・シングス」と同様に「幻惑されて」も同じ曲とは思えません。ロバート・プラントの第一声の絶叫でもうノックアウトです。

では、レッドツェッペリンの演奏を聴いてみましょう。ロバート・プラントは1975年頃にノドを痛めてしまうので、1969年の演奏で「幻惑されて」の真骨頂を聴けます。

結論:リードシンガー、キース・レルフの力量

聴き手によって印象は異なると思いますが、リードシンガーのキース・レルフの力量もあるのではないでしょうか。ちなみに、キース・レルフは、1976年5月14日にエレキギターで感電死してしまいます。1976年といえば、レッドツェッペリンの活動も後期にさしかかり名盤『プレゼンス』(Presence)を発表したころ。

キース・レルフの力量を、ロバート・プラントやロッド・スチュアートの才能と比較したくなります。不運なポジションにいたとも感じますが、シンガーの力量もバンドの成功と切り離すことはできないものです。

木村邦彦

メディア関連で編集制作、ライターなどしています。(さらに詳しい自己紹介