【ガラケーだけを使い続けるリスク】使う人が加速度的に時代から取り残される

全国的に人間もガラパゴスに追い込むガラケー

全国的に人間もガラパゴスに追い込むガラケー

ガラケー(フィーチャーフォン)はスマホに比べれば頑丈です。しかも、通信会社との契約プランも安くすみます。

スマホとの二台持ちではなく、ガラケーだけを愛用する方は私の周囲にもいます。友人、知人、上司、そして高齢になった親。しかし、この使い方にリスクがあると私は警戒しています。使っている人が、加速度的に時代から取り残される可能性です。しかも、気づかぬうちに。

ここで思い出す残念な教訓を書いてみたいと思います。知人の知人の話です。

貫禄のある重役

貫禄のある重役

知人の知人は、スマホを持たないガラケー使いの男性です。一部上場企業で重役職を経験しました。在籍中に自社ECサイトの立ち上げを提案し、億レベルの売り上げ増で貢献しました。定年退職してから独立し、中小企業を営業面でアドバイスする「営業戦略アドバイザー」の仕事をはじめたのです。

前職での成功体験をもとに「これからの時代はeコマースや!」とクライアントさんに熱弁を振るいます。しかし、クライアントさんの営業成績はなかなか上がりません。いや、なかなかどころか、まったく…。

この男性は「前職ではECサイトと立ち上げた」とはいうものの、そのように「部下の女の子に指示した」のであって実務に携わっていなかったのです。(「部下の女の子」という言い方も、ダイバーシティに取り組むクライアントさんでしたので、ひんしゅくを買ってしまいました)。

部下に指示を出す上司

部下に指示を出す上司

Amazonや楽天への出店方法すらも知らず、それどころか、Amazonで私的な買い物をしたこともありません。なんでも「買い物は、この目で確認してから買う」のがモットーなのだそうです。本当にそのように言ったというから驚きです。なんということでしょう。

この男性はスマホで買い物をした経験がないので、ユーザーファーストのアイデアは浮かびません。キャンペーンの提案もいまいちです。結局、eコマースで有益な戦略を提案できません。

そこで、ハガキを使ったDMの販促や問屋営業を提案するようになりました。中小企業の経営者からすれば、わざわざ外部の「営業戦略アドバイザー」に頼んで提案されることでもないでしょう。打ち合わせをしたくても、男性がメールをチェックするのはパソコンの前にいるときだけ。チャットアプリもメッセージアプリも使えません。したがって、アポなし訪問はあたりまえになります。

かくして男性の輝かしいキャリアと裏腹に、存在感はどんどんしぼんてゆきます。

私の周囲にも目を向けてみます。経営者の肩書を持つ友人知人でも、会員制交流サイト(SNS)に興味を持たず、ECサイトで買い物もしない人をみかけます。個人のライフスタイルは尊重されるべきだと思いますが、リーダーシップでのアキレス腱(けん)になりかねません。価値を見いださなければ、Twitterで自社の評判をリサーチしたり、専門のマーケティング担当を置いたりする気にも起きないでしょう。

スマホでSNS

スマホでSNS

成功体験も失敗体験も、どちらも情報をもたらします。仮に「SNSは大して面白くなかったし、ECサイトは便利でなかった」という残念な体験であっても、そこから新しいアイデアを生み出せる可能性もあります。ニッチなチャンスも。仲間たちと共通の話題として語り合えるでしょう。

時流から取り残されると、こうした話すらもできなくなってしまうのです。ガラケーを使い続けることは、単なる通話手段の選択だけではありません。ガラケーの使い手は、eコマース、IoT、フィンテック、シェアリングエコノミー、マーケティング…、数え切れない分野から加速度的に取り残されてしまう

時代は5G(第5世代移動通信システム)に向けて動き出しています。多くのガラケーがつかんでいるのは3Gという電波です。2Gのように、いつの日かこの3Gも停波(サービスの終了)する日がやってきます。この時、ガラケー使いはガラケーという手段を失い、すでにスマホを使い慣れた人との距離は鮮明になります。スマホを持っていなければ、スマホで家電のスイッチを入れ、家計簿アプリでお金を管理する経験も生まれません。一般常識の理解でもハンディキャップを負っています。

ガラケーだけを使うことは、長い目で見れば高くつく買物になると私は思えてなりません。

(追記)

「知人の知人」である男性は、その後、iPhoneに機種変更したそうです。

木村邦彦

某メディアの編集制作をしています。妻と二人暮らしの兼業主夫でもあり、実生活の充実も大切にしてます。最近はまっているのは、禅関連の読書。(さらに詳しい自己紹介

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