時には「悪趣味」な映像で癒やされてみたくなる?!ロバート・モーガンの『Bobby Yeah』

シェアする

150531_01

画像引用/YouTube

ずいぶん昔のことだけど、学生時代にSFの文芸評論家の小谷真理さんにインタビューをしたことがあった。女性がスプラッタームービーを好んで観る傾向があるとすれば、既存の世界観(男性中心の世界観)が壊れてゆくことに、カタルシスを得ているのだ、という話だった。この言葉は、刺激的でとても面白く感じられ、いまだに記憶に残っている。

スポンサーリンク

破壊がもたらす癒やし

可愛いモノ、綺麗なこと、涙なくして語れない人情モノ…ばかりで人の心は癒やされるとは限らない。破壊や崩壊が、私たちのカタルシスや快感を生むこともあるよね。

生物学的にも、社会的にも根っからの「男性」である私であるが、悪趣味な映像に、心癒やさせるということは、つねづね経験することだ。たとえば、ロバート・モーガン(Robert Morgan)の『Bobby Yeah』というストップ モーション短編アニメーション映画は、相当やばいものだ。人前では観られないけれど、病みつきになりそうな大好きな作品のひとつ。

気持ち悪くて、観てらんない…と思いつつも、ついつい最後まで観てしまう。ちなみに、実は、ファンタジア国際映画祭などさまざまな世界的な映像フェスティバルに出品されて、高い評価を得ている芸術作品でもあるのだ。

誰も幸せそうじゃないけれど、快感を求めて生きている

劇中、言葉はひとことも発せられない。世界の理由も原因も、何も説明されてないけれど、誰も幸せでなさそうだし、性欲と破壊欲だけで話が進行しているみたい。とはいえ、これらのエネルギーの源には「肯定されたい」とか、「愛されたい」というパワーが秘められているようにも感じられる。世界の不幸の縮図が、ここに描かれていて、その原因も理由もはっきりとは説明されていないのだけど、まさにそうだよな…と納得させる不思議なダークファンタジーなのであった。

【参考】Bobby Yeah (2011)
木村邦彦
某メディアの編集制作をしています。妻と二人暮らしの兼業主夫でもあり、実生活の充実も大切にしてます。最近はまっているのは、禅関連の読書。(さらに詳しい自己紹介
スポンサーリンク