戦場フォトグラファーに必要なのは、度胸だけなのか?

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戦場フォトグラファーが絵の描き方を教えてくれた

私に絵の描き方を教えたのは、大学の先輩の戦場フォトグラファーだった。2003年頃、私は30代のはじめだった。大好きな出版の仕事をしていたけれど、過労で体調を崩しており、静養をしていた時期でもあった。イラク戦争の取材から帰ってきた先輩が、見舞いに来た。

加藤亮

先輩は、落書きばかり描いていた私に、リハビリの意味を込めて絵を描くことを勧めた。そして、私は今日に至っている。

ジェームズ・ナクトウェイやセバスチャン・サルガド

先輩自身は絵の描き方を知らなかったので、その代わりに「構図」のアドバイスを私にした。先輩が構図のテキストとして使ったのは、ジェームズ・ナクトウェイセバスチャン・サルガド写真家集団マグナム系の優れた作品だった。どれもが広角レンズを使っていることが印象的だった。

ジェームス・ナクトウェイ

引用URL / http://www.jamesnachtwey.com/2015月2月2日閲覧

写真家をプロたらしめる最期の聖域は「構図」

21世紀となり、フィルムのカメラは廃れはじめていた。カメラを撮ることに、特殊な知識は不要の時代にもなっていた。シャッターを押せば、誰だって、そこそこの写真は撮れる。露出や、現像の知識なんて不要だ。だからこそ、写真家をプロたらしめる聖域も、狭まってしまった。ここで、二つの流れが生まれたのだろう。

  • 構図を意識した芸術的な写真家。
  • スクープ写真を意識した度胸の良さを売る写真家。

他にも、政治や社会情勢など、写真以外の知識も必要だろう。私は、政治が苦手だし、紛争地帯に足を踏み入れるほどの度胸もないし、なにより体が丈夫ではないので、戦場フォトグラファーは、はなから不適格な仕事だ。

度胸を売りにする写真家としては、一ノ瀬泰造などが思い浮かぶ。その生き様自体も魅力的だ。でも、彼の写真の構図を褒める言葉を、私はあまり知らない。私が参考にしたテキストは、やっぱりジェームス・ナクトウェイだったり、サルガドの写真だ。宗教絵画のような神秘性すら感じる。彼らの魅力は何だろう?そのひとつは、構図かもしれない。構図がだめなら、すべてがだめになる。

紛争地帯に入るには、度胸の良さは絶対条件に違いない。しかし、それだけでは足りない。写真家としての芸術性も表現できる最前線でもある。なにゆえ、紛争地帯に足を踏み入れなければならないのか、それを仕事として取り組む人でなければ理解できない領域なのかもしれない。

木村邦彦
最近はまっているのは、禅関連の読書。日経テストの受験勉強も楽しい。AdobeとApple製品が大好きで、Photoshopは得意。AfterEffectの勉強中。(さらに詳しい自己紹介
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