「ビデオ絵画」の先駆的な作品。Mistaken Memories Of Medieval Manhattan/Brian Eno

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画像引用 /vimeo

アンディー・ウォーホールが作ったような、眠っている人、またはエンパイアステートビルだけが数時間も映し出される「映画」だったり。もしくは、ジョン・ケージが作った音が聞こえない「音楽」を聴かせられることは、とても退屈だ。

1980年から翌81年にかけて製作されたBrianEnoの”Mistaken Memories Of Medieval Manhattan”も、これらの退屈な映画・演奏に通じる可能性はあるかもしれない。しかし、その一方で、Mistaken Memories Of Medieval Manhattanはとても実用的な”音楽”なのだ。そして、その面白さや美しさは古くならないことも見所だと思う。

Mistaken Memories Of Medieval Manhattan from Sergey Teterin on Vimeo.

”Mistaken Memories Of Medieval Manhattan”は観ることも、聴くことも求めていない。演奏会や上映会が企画されることは、おそらくないだろう。Enoが想定している場は、上映会場ではないのだ。

聞き流すことを求めているとも言える。この点は、先の眠っている人、エンパイアステートビル、音がしない音楽との違いだと思う。

”Mistaken Memories Of Medieval Manhattan”は、一般的な映画でもないし音楽でもない、ビデオ絵画なのだ。絵画の観賞とは、音楽の観賞とは違っていて、ふと眺めたり、見入ったりして、立ち止まり、そして立ち去るようなものだろう。
Enoは、こう言っている。

人々がそこに座って、しかも、そこに流れている音楽は別に聞こえていなくても良いというような感覚でいるのが、私は好きだ。人がこの音の領域に座っていながら、その全てが必ずしも聞こえている必要はないという考え方を、私は気にいっている。

Enoから始まった新しい態度であり、提案といえるかもしれない。無視できる音楽・映像は、退屈どころか実用的なサウンドであった。”Mistaken Memories Of Medieval Manhattan”には、戦略があり、理由があり、実用性があった。

たとえば、極めて身近な応用例としては、パソコンの起動音などもその一つであるだろう。着信音であったり、通知音、起動音は身近で小さな環境音楽と言える。事実、Windows95の起動音は、BrianEnoの作曲であった。必ずしも、聴くための音楽ではないが、それらは心地よくあって欲しい。そして、”Mistaken Memories Of Medieval Manhattan”は心地よさをもっている。

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【参考】
エリック・タム著『BrianEno』p.222/
Mistaken Memories Of Medieval Manhattan

参考文献:エリック・タム著『BrianEno』p222

最近はまっているのは、禅関連の読書。日経テストの受験勉強も楽しい。AdobeとApple製品が大好きで、Photoshopは得意。AfterEffectの勉強中。(さらに詳しい自己紹介
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